代表の中嶋です。イベント目白押しで久しぶりの投稿になってしまいました。どれもこれもためになる事ばかりだったのですが、まとめる時間がないので取り急ぎ昨年も参加した測量設計協同組合全国情報交流会(今年はin富山)をつらつらと。
まず基調講演は「富山市の公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり これまでとこれから」と題して、富山大学の久保田善明教授からご講演いただきました。

富山市は人口減少を見据え、2005年頃から公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトシティ政策をスタートさせ、居住エリアを「団子」、交通網を「串」とたとえ、鉄道駅から半径500m、バス停から半径300mのエリアに居住を誘導するインセンティブ政策を実施したとのこと。そして都心部(市域のわずか0.4%)への集中投資により、地価を上げて固定資産税・都市計画税(市税収入の20%以上)を確保し、その税収の一部を郊外や中山間地に還元していく仕組みを採っているそうです。市域のわずか0.4%で税収の20%を超えるとは驚きです。

そして 特別講演「災害対応における測量DXの活用」と題し富山県測量業協会の市森友明会長からもご講演いただきました。
災害の経験からデジタル技術が急速に発展してきており、公共測量マニュアルも迅速に改正されてきていることに触れつつ、ジェームズマーチの「領域の経営」のフレームワークを用いた測量業界におけるイノベーションの必要性と今後の人材育成に関する非常に重要な提言をいただきました。
既存技術の活用・効率化を横軸とし、新しい技術の導入・活用を縦軸とすると特に測量業界では「経験値の蓄積」経験思考に基づいたやり方を好み、伝統的にこの横軸、すなわち効率化や経験の活用が得意とするが、民族的にも日本人は新しい技術の導入・活用という縦軸が苦手であり、世界のイノベーションの波に乗り遅れてしまったということでした。
特に測量業界は、技術的な進歩が民間の世界で非常に速く進展しており、この変化についていかなければならない状況にあり、従来の横軸の経験主義から脱却し、最新技術の導入という縦軸を徹底的に進めていかなければ、若者も業界に入ってこない、あるいは業界そのものが淘汰されるかもしれないというお話もあり、強い危機感を感じました。

その後各組合からの活動内容の報告と懇親会で交流を深め、最後に次回開催地が”千葉”であることが発表されて閉会となりました。
私が属する企画委員会が講演の段取りを執るようですので、責任重大ですが実り多い情報交流会になるよう準備を進めていきたいと思っています。